長期優良住宅化リフォーム補助金制度が大幅に制度改正されました。

お知らせです。
タイトルの通り、29年度の長期〜補助金制度はかなり改正されているようです。
国交省が開く説明会は5月24日なので、正確な情報はまだここでは書けないのですが、すでに公開されている資料を見る限り、補助金の計算のしかたが去年までとは大きく変わりました。

いままでは、たとえば
エコキュート460Lを設置した場合、設置工事費が全部で45万円かかったとしたら、その3分の1の15万円が補助金申請できていました。
今年度からは、エコキュート460Lの設置工事費として認められる工事単価は一律39万円と定められ、その3分の1の13万円が申請できる補助額となります。

だから、「補助金もらえるなら、グレードの高いものにしよう!」と思っても、今年度からは、商品の値段や実際の工事費は関係なく、一律の補助金しか出ないことになります。

結果、1件あたりの補助額が目減りするだろう、というのが私たちの予想です。

ですが、デメリットばかりではないようです。
これまでは、ある程度まとまった工事をしないと補助金申請がしにくかったのですが、これからは、一定の条件をクリアした住宅は、たとえば「浴室をユニットバスに改装+LDKの全窓に断熱内窓設置」という、比較的小規模な工事内容でも申請しやすくなるのではないかと思います。

とはいえ、まだまだ一般的にはわかりにくいこの制度、でも補助金額は、いま施行中の「エコリフォーム補助金」より、ずっとずっと補助金額は多いので、リフォーム前に一度は検討いただきたいと思います。

ちなみに補助額の比較をしてみると。

1.浴室をユニットバスにリフォーム
 ●エコリフォーム     24,000円〜最高で 96,000円程度
 ★長期優良リフォーム   140,000円〜最高で158,000円程度
2.エコキュート460Lに取替
 ●エコリフォーム     24,000円
 ★長期優良リフォーム  130,000円
3.断熱内窓(大)を設置
 ●エコリフォーム    20,000円
 ★長期優良リフォーム  26,600円

やっぱり長期優良リフォームの方がずいぶんと補助額が大きいですね。
でも条件とか制約とかが厳しいので、より良質な環境づくりをしたい方、たくさん断熱内窓を付けたい方などにおすすめの制度です。


補助金といえば、どうしても「その分、工事費がお得になる」という点にばかり焦点があたりがちですが、長期優良住宅化リフォームの最大の目的は、
「より性能の高い住宅にするために、国が補助金を出している」
ということです。

実際、
「断熱・気密性能が異なる住戸に60 〜79 歳の高齢者に宿泊してもらい健康指標の違いを調査した結果、断熱・気密性能が高い住戸に宿泊すると最高血圧が低減することが分かった。」
という研究報告もどんどんあがってきています。

長年住んでいると、寒い思いをしていても、「そんなものだ」と思って体に無理を強いてしまうことはよくあることですが、そんな方も、なにかのきっかけで断熱リフォームをしたら、ガラッと環境がかわって生活自体がらくになり、「もっと早くリフォームすればよかった」と、
みなさん口をそろえておっしゃいます。
それくらい、断熱リフォームの効果は大きいようです。

そして、そんなリフォームをするきっかけとして、おおいに利用していただきたいのが、長期優良住宅化リフォームのような補助金制度なのです。

また、将来、家を貸したり、売ったりする場合も、インスペクションを実施して長期優良住宅化リフォームをした住宅は、それなりの価値を認められるような法整備も、じょじょに整えられています。

これだけの、れっきとした目的、指標があって、国がお金を出す制度なので、当然、補助金を交付するための条件も、それなりに厳格さを求められます。

とくに断熱リフォームについては、平成28年に施行された「省エネ法」を基準に断熱に必要な数値が設定されているので、
・住居の地域区分(北海道と九州では、基準値が異なります)
・開口部比率の区分(外気に触れる表面積に対する開口部(窓・玄関ドア等)の比率)
・設置する商品の性能(断熱内窓や断熱材の、熱貫流率や日射遮蔽率)
など複雑にからみあって、その断熱性能がジャッジされます。

それをクリアして補助金を交付された住宅は、いわば国のお墨付きを付与された住宅と言えるでしょう。

なので、補助金を使う場合は、単に工事費を節約するためではなく、性能の高い住宅にして、居住性をあげるために補助金リフォームをする、ということを頭の片隅に入れながら、リフォームの計画をたてていただければと思います。

でも、やっぱり、もらえるものはもらった方がお得だということに変わりはないですね♪