TOTOハイドロテクトコート 光触媒 裏話
最近ときどき耳にするようになりませんでしたか?「光触媒」
光触媒とは、光をあてると触媒作用をおこす作用全般を指す呼称です。
TOTOがその技術を応用開発して発売したのが、ハイドロテクトという建築用塗材です。ハイドロテクトに含まれる酸化チタンが紫外線を浴びることによって有機物質を分解し、その際に有機酸素を発生して環境を浄化する、という環境浄化技術で、いまのところTOTOの認定した施工店しか施工できないことになっています。
なぜ認定された施工店しか施工できないかというと、光触媒って、れっきとした科学技術だから、施工手順をきちんと守れば絶大な効果を発揮する反面、適当な施工をすれば効果は期待できず、メーカー10年保証制度が成り立たなくなるからです。
さて、その光触媒に用いられる酸化チタンという成分。
TOTOから委託を受けてハイドロテクトを生産している西井塗料さんの話によると、これがかなり強い分解能力を持っていまして、たとえばビンに酸化チタン入りの水を張り、その中にゴキブリをいれてビンの外側から紫外線を当てると、ゴキブリはあとかたもなく分解されてしまうというのです。
あとかたもなくというのは多少おおげさかもしれませんが、少なくとも原型はとどめず、残ったとしてもカスくらいのものなんだそうです。
それを聞いていたうちの工事主任、川口恵美が、これがゴキブリ大嫌い(好きな人はいないでしょうが)。
「じゃあ、うちの床にその酸化チタンを塗りまくったらゴキブリ全滅する!?」
と、大まじめに聞いてきたので、西井塗料さんと私は思わず顔を見合わせました。
そんなことしたら、人間も死にます。
するとまたまたその会話を聞いていたスタッフが、
「新手の犯罪トリックに使えそうですね!」
光触媒とは、それほどの効果を発揮するので、銀行、マーケット、ショールームなどの商業施設、病院、コミュニティセンターなどの公共施設で、すでに多く採用されています。
ゼネコン等の工事現場の目隠しパネルにも、最近「光触媒パネルです」との文字が見られるようになりました。