塗装のおはなしシリーズ Facebookページ記事まとめ

塗装のおはなし 1--------------------------- 

 なぜ家の外壁塗装をしなくてはならないのか、その必要性と重要性をご存じの方は多いですが、今日は、塗装って、とっても奥が深いものなんだよ〜
 という話をしたいと思います。
 
 私は以前、塗料販売店に勤務していたので、塗料を扱うことの難しさを幾度となく経験しました。
 素材との相性が悪いと、塗料はみるみる剥離します。
 たとえ素材との相性がばっちりだったとしても、今度は下処理が悪いとめくれてきます。ふくれたり、泡だったり、しわしわになることもあります。

 みなさんも、ときどき見かけませんか?
 屋根の塗料がペリペリはがれて、下地の色が見えてしまっている住宅。
 見るだに痛々しい光景ですが、いったいなぜあのような状態になったのか、と言えば、上記にあげたような、
 ・その瓦に適さない塗料を塗った
 ・塗料はよかったけれど、下地処理が不十分だった
 ・塗るタイミングが悪かった
 細かく言えば、ほかにも要因は考えられます。劣悪な環境、異常気象などで不可抗力的に塗面が悪化することだってあります。
 それに、じっさいには、塗料の剥離していない家のほうが圧倒的に多いです。それはもちろん工事内容がしっかりしていて、問題なく施工したからであって、それが当たり前のことなのですが、ごくまれに、きちんと施工されていなかった場合、残念な結果になることがあります。

 色もそうです。
 塗料は、塗って乾燥すると色が濃くなります。
 これを専門的に、「色がのぼる」と言いますが、塗料にはいろんな色が混ざっていて、その中の原色だけが、乾いたとき鮮やかに発光するため、その変化量を頭に入れて、慎重に色の配合をしていきます。
 そして「このくらいでいいかな?」という色合いになったときには、実際にステンレス板などに塗ってみて、ヘアドライヤーで乾燥させつつ、色ののぼり具合を確かめます。その結果、出したかった色とちょっとでも違えば、また色を足すなどしながら、乾燥後の塗料の色が、色見本と一致するまでやり続けるのです。

 ただし色は、足すことはできても引くことはできません。だから慣れないうちは、調色しているうちに、どんどん塗料が増えていきます。
 そして濃い色をちょっとでも入れすぎてしまうと、もう取り返しがつかなくなってしまい、そのときは、もったいないけど塗料は廃棄処分、また一からやり直し、ということになってしまいます。

 まさに「目」だけが頼りの職人技です。塗料を扱うことは、経験と勘がものを言う仕事です。

 とくに建築塗料は、広い面積に塗りますので、サンプル帳などの小さな色見本で見たときと、実際に壁に塗ったあとで見たときには、視覚的な誤差が生じてしまいます。
 かんたんに言えば、塗料は広い面積に塗ると、色見本で見たときより1割から2割程度、明度と彩度があがったように見えるのです。
 そのほか、朝日や夕日に照らされると、明らかに色が違って見えますし、北側の陰の部分と南面の明るい部分とでは、とても同じ色とは思えないほどに、印象が違ってきます。 

 さて、そんな塗料。
 みなさんも、同じ大金をかけて塗装をするなら、できるだけキレイが長持ちして、そして、できれば今と違う色で、思い切ってイメージチェンジしてみたい!
 とお考えでしょう。

 次回は、そんなことについてもお話したいと思います。

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塗装のおはなし 2---------------------------

 前回は、塗料を取り扱う上においての難しさや注意点をお話ししました。
 今回は、そんな塗料を実際に住宅に塗装する際の手順についてご説明します。

 みなさまは、「よし、うちもそろそろ塗装工事をしよう」と思い立たれたとき、まずなにから手をつけられますか?
 ほとんどの方が、まず、見積をされると思います。
 工事のきっかけが、訪問販売の営業マンによる勧誘だった場合、黙っていても見積書は出てきます。もしくは親戚やお知り合いに施工する人がいた場合、「頼むよ」の一言で、見積書なしで工事がはじまることもあるでしょう。
 ですがその他、広告、電話帳、インターネット、口コミ、紹介等で情報を得た施工業者の場合、まずは連絡を取って見積を依頼しますね。
 見積をするには現場調査が欠かせませんので、依頼された施工業者は、塗装をする予定の現場の状況確認をします。
 屋根、壁、その他の材質、経年劣化の進み具合や損傷ヶ所の有無、また、家の大きさ、足場をかける際の障害物の有無・・・私たち施工業者側がチェックするべきところはたくさんあります。
 ごくまれに、軒下やバルコニー内部で、知らず知らずのうちに雨漏りが発生している場合もあります。内壁にしみてこない限り、雨漏りはなかなかわかりません。現場調査のときに、私たちが外部の状況から判断して、「雨漏りのおそれがあるな」と思った箇所は、塗装前に外装材をはがして内部の状態を確認します。
 もしも雨漏りの痕跡があれば、それなりの処置を施します。今まで実際にあった例として、軒下にシロアリが巣食っていたお宅や、バルコニー内部の木が腐ってぼろぼろになっていたお宅が数件ありました。
 まさかと思っても、確認だけはしておきたいところです。あけてみて、なにごともなければ一安心、それにこしたことはないのですから。

 他にも雨どいや瓦が割れていたりズレていたり、それらを止める金物が錆びていたり、デッキの木材が腐っていたり・・・
 これ以上の例はケースバイケースすぎるので、割愛しますね。

 さて、そんなこんなで現状確認と点検が終わったら、いよいよ見積作成です。
 足場をかけて、
 塗る。
 この手間は、誰がやっても、そう変わるものではありません。反対に言えば、本来変わってはいけないはずのものです。

 見積額を左右する、もっとも大きな要素は、塗料の種類にあります。

 ずーっと前、それこそ私が塗料販売店に勤めていたころは、建築塗材は「弾性塗料」というものが主流でした。その名の通り、弾力のある、乾くとゴムのようになる素材で、壁を爪で押したら簡単に爪跡がついたものでした。
 その前は、アクリルリシンが主流で、これは今でもたまに見かけますが、モルタル仕上げの壁に艶のない粒々(骨材といいます)の混じった塗料を吹き付ける仕上げ方法で、これが汚れが付きやすかった。それで、その上から弾性塗料を塗る施工法が大流行したのです。
 その後時代は移り変わり、セラミックウレタン塗料、シリコン塗料と、だんだん高品質で耐久性の良い塗料が普及価格帯に入ってきました。
「フッ素塗料」は昔からありましたが、こちらは今も昔も、相変わらず価格が高いですね。今でこそ、だいぶ安くなってきましたが、それでも一般的な外壁・屋根塗料に比べて2倍〜3倍程度、材料費がかかります。

 私の経験から述べれば、弾性塗料の時代までは汚れが付きやすかったと思います。
 セラミックウレタン塗料になってからが、画期的に耐久性、耐候性ともにUPした、それは施工した住宅を、その後5年、10年と観察してきた結果、言えることです。

 そして時代は、いよいよ光触媒塗料へと移行しつつあります。
「フッ素塗料」ほどには高くなく、かつ、比較して遜色のない程度の耐久効果が、テストや実験等から十分に期待できる新塗材。
 環境にやさしいECO商材であることも、時代の流れに即しています。

 ただし、この塗料は施工に特別の知識と技術を必要とします。
 詳しくはブログ記事 http://d.hatena.ne.jp/soratobujutan/20120220/1330347982
を参照いただくとして、メーカーが10年保証をする代わりに、施工/販売に認定施工店制度を設けるというシステムで日本全国に広まりつつあるTOTO光触媒ハイドロテクト。
 この施工方法は、専用の下塗り材を塗布したあとで、色のついた専用塗料を塗り重ね、その上に仕上げ材として塗るのが、光触媒光触媒たるゆえんとなるECO-EXというクリア塗材なのです。この、最後に塗る半透明(ほとんど透明なのですが、触媒の微粒子が混入しているため、厚塗りすると半透明となる)こそが、紫外線を当てると触媒作用を起こす化学製品なんですね。
 この触媒作用がとても強いため、その強い化学変化に耐えうる材料を下塗りとして塗らないと、下地を侵食してしまうほどの効果があるのです。
 だからこそ、きちんとした手順、きちんとした材料を適材適所に塗布する必要があり、そのためには専用の知識と判断力、それに応じた技術力を要するのです。

 おおげさに聞こえるかもしれませんが、ただでさえ難しく奥の深い塗料の世界、光触媒塗料は、さらにそのワンランク上にある塗料と言えます。
 前述したように、仕上げ材のECO-EXが半透明のクリア材である理由から、あまり濃い色の塗装には向いていません。キレイ長持ちは、白っぽくて明るい色ほど、顕著に効果的にその威力を発揮するのです。

 ・・・長くなってしまいました。
 本当は、さあ、塗装工事の準備はすべて整った、いよいよ一番のお楽しみ、

「カラーコーディネート」はどのように進めるのか。

 と、話を持っていきたかったのですが、それは次回のお楽しみ、ということにさせてください!

 ★TOTOのホームページには、全国のハイドロテクト認定施工店が掲載されています。是非テイキング・ワンの名前をご確認ください。 
http://www.hydrotect.jp/tocshopsearch/searchresult.aspx?addr=42

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塗装のおはなし 3---------------------------

 外壁や屋根の塗装工事をすると決まったら、次はいよいよカラーシミュレーション、ご自宅をどのような色に塗るかを決めていきます。
「いまと同じような色がいい」
 と、おっしゃるお客様以外は、たいてい「次はどのような色にしようかな」という迷いと夢がおありですので、私たちは、お客様が「うん、この色にする」と決まるまでのお手伝いとして、以下のようなカラーシミュレーションを作成します。

 ①は現況写真です。塗装工事をする前に撮影した写真をもとに、パソコンでカラーシミュレーションしていきます。







 ②は屋根がオリーブグリーン、2階の壁をホワイト、1階の壁にアンバー系の色をつけ、バルコニーは、1階と2階の壁の、真ん中くらいの色にしてみました。





 ③は屋根を濃いめのグリーンに、バルコニーも濃い色づけにしてみました。

 ④⑤を見比べると、屋根、壁の色はまったく同じなのに、バルコニーの色を変えただけでずいぶん印象が変わるのがわかります。


 ⑥が、最終的ににお客様が決められて、じっさいに塗装したあとの写真ですね。アングルや日の当たり方がシミュレーション写真と違うので、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、イメージとしては⑤のプレビューに近い色を塗っています。




 もちろん、パソコンで作成して、レーザープリンタで印刷したカラーシミュレーションは、塗料の色とは異なります。ペンキの色とまったく同じ色はレーザープリンタでは出せません。あくまでもイメージの参考にしていただくために作成するものですが、まったくなにもない状態で色を決めるのは非常に難しいので、このようなものをたたき台として使っていただき、その中でだんだんに、塗装後のイメージを固めていっていただきます。

 色決めを、私たちが依託された場合、私たちがおすすめする色は、どうしても一般住宅として無難な色になってしまいます。
 だけど今は、よそとは違った色にしたい、自分の好きな色を自由に楽しみたい、と思われる方が増えています。そしてそんな自由な発想の中から、私たちが思いもよらないような素敵なカラーコーディネートが生まれることも多いのです。
 お客様の家をカラーシミュレートすることで、私たちも良い勉強をさせていただいています。

 塗装のおはなし 4 では、その一例をご紹介いたします。

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塗装のおはなし 4---------------------------


 塗装のおはなし3で書いた、「お客様の自由な発想の中から、私たちが思いもよらないような素敵なカラーコーディネートが生まれる」という事実。
 今日はそんな一例をご紹介します。

 まさにいま塗装工事中の、大野城市の現場です。
 以前から塗装のことはお考えで、車道沿いにあるため壁が汚れやすく、今回、光触媒なら良さそうだということで施工することになりました。
 角地の、よく目立つ家です。お施主様は、さてどんな色にしようかと、カラーコーディネートを楽しみにしてらっしゃいます。
 家の写真をコピーした紙に、お施主様ご自身が、クレヨンや色鉛筆などで色づけしたものを作成し、渡してくださいました。
 それをもとに、私がフォトショップでカラーシミュレートしていきます。

 ①②③が、お施主様のアイディアをもとに作成したもの。
 ④⑤が、一般的に住宅で良く使われる色を使って、参考までにと私が作成したもの
 です。

 見比べると一目瞭然、御施主様の考案されたカラーは、とっても新鮮で、見る人が「はっ」とするような発見や驚きがあります。
 あとはお施主様に、どの色にするかを決めていただきます。

 ご主人様と奥様とで、好みの色がきれいに2つに分かれましたが、最終的には、「これなら子供も、うんって言うよね」という色に決まりました。

 さて、それは、①〜⑤のうちの、何番でしょうか。

 ・・・と、クイズではありませんが、今はまだ塗装工事中ですので、答えは秘密です。
 ⑥の写真は、今現在工事中の、足場がかかっている状態です。
 光触媒ハイドロテクトの良さを知っていただきたくて、大きなイメージシートを掲げています。
 
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