旬の食材、タケノコ話

 毎年この季節になると、テイキング・ワンの所長はそわそわし始めます。
 大好物のタケノコが市場に出回り始めるからです。
 今年は、八女までいって、初タケノコを手に入れて帰ってきました。
 手に入れたタケノコは、両親のところにもお裾分けに行ったのですが、昔の人は、4月の初旬にタケノコと聞くと、「もう?」と驚きます。
 な〜ぜか。
 それは、タケノコは、イノシシが食べ終わってから人間がいただくものと相場が決まっていたからです。
 そういえば数年前、知人の竹林にタケノコがあるというのでタケノコ狩りに連れていってもらうことになったのですが、そのときも知人は、
「まだまだイノシシが食べ終わってない」
 と言って、なかなか竹林に連れていってくれませんでした。
 冬のあいだ、おなかをすかせていたイノシシは、タケノコをそれこそむさぼるように食べるそうです。だから、そんな時期に人間が山に入ると、食べ物を奪われると思って攻撃してくる恐れがあるのでしょう。
 イノシシが腹いっぱいタケノコを食べて、もう見向きもしないくらい満腹になったころ、人間様がやっとおこぼれにありつける。
 昔の人は、そういう常識を持っているようです。

 話は戻って、数年前に知人の竹林でタケノコ狩りをしたときのこと。
 みんなで掘ったタケノコは、知人宅の庭で薪を燃やしてドラム缶に湯を沸かし、皮付きのままポイポイ茹でていきます。新鮮そのものの茹でタケノコは、それはもうおいしくて、調味料なんかいらない! というほど美味でした。

 買ってきたタケノコにそこまでの鮮度を求めるのは無理なので、うちでは毎年、タケノコを手に入れたら、まず「鶏めし」を作ります。
 タケノコなのに、なぜ鶏めし? と思うなかれ(^^
 うちの鶏めしは、JA筑前あさくらAコープでバカ売れしている「かしわおにぎり」のレシピを研究した上にタケノコを追加して改良を重ねたオリジナルで、食べた人すべてのハートをわしづかみにする旨さです。

【具の材料---タケノコ・ゴボウ・干ししいたけ・ニンジン・親鶏もも身・こんにゃく・うすあげ】
 これらを小さく刻んで、
【調味料---しいたけの戻し汁・みりん大量・しょうゆ・だしのもと・塩少々・仕上げに好みでごま油】
 で煮つめます。

 作り方のこつは、材料を大量のみりんで煮つめること。そして一番大事なのは、煮つめた具を、炊き立ての白いごはんと混ぜ合わせることです。
 ちらし寿司の要領と一緒です。
 濃いめに味付けした甘めの具を、味を調節しながら白いご飯に混ぜ込んでいくから、おいしいんですね。
 一口目は甘すぎると思った辛党の私でも、その不思議な旨さにバクバク食べてしまえる逸品。
 これも差し入れすると喜ばれます。

※写真は、食べログからの借りものです。http://r.tabelog.com/fukuoka/A4008/A400803/40023834/dtlrvwlst/


JA筑前あさくらAコープで売られている、かしわおにぎり。
場所は、朝倉インターを降りてすぐ。386号線に出る信号の手前にあります。

386号線に出て右折、杷木の方へと向かう途中に、有名な道の駅「バサロ」があり、新鮮なタケノコは、ここでも手に入ります。