3Dパースの魅力

 今までリフォームをしたことのある方で、3Dパースでの提案をご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。
 今日は、リフォームの見積をする際の、当社の提案の方法をご紹介します。

 小さな工事、たとえばトイレの便器を取り替えるだけ、とか、洗面台を取り替えるだけ、といった工事の場合は、3Dや図面などはなく、文字で書かれた見積書のみで契約することもあります。
 大きな工事、たとえば全体改装や間取りの変更、キッチン・リビングリフォーム、水回り全面リフォームなどの複合的な工事の場合は、必ず詳細な平面図を作成します。
 以下がキッチンリフォーム平面図での提案の一例です。左が現在のキッチン、右がリフォームしたらこうなる、という提案図面です。

 お施主様のご要望は、「明るいキッチンにしたい」「友達と食事できるきれいなキッチンにしたい」この2点がポイントで、この2点を満たしたプラン(図面)を作成しました。
 とはいえ、 このキッチンの場合は、4方の壁のうち3面に扉があるので、プランの自由度が制限され、条件を満たすプラン作成はかなり難しいものとなりました。
 ですが、窓や扉、収納の種類や高さ、配置を工夫して、これならきっとご満足いただけるだろうという図面ができあがりました。

 ・・・でも?

 この平面図を見ただけでは、「明るくなる」「きれいになる」の部分が、よくわかりませんよね。
 なんだか色んな物が配置されていて、文字がたくさん書かれていて、どこになにがあるのか具体的に書いてあるのはいいけれど、これでは実際にリフォームしたときの仕上がりがイメージしにくい。


 そこで3Dパースの出番です。

 説明は不要ですよね。
 上の図面の通りにキッチンや家具、窓やドア、収納棚などを配置してパースにおこすと、こうなります。 

 いかかでしょうか。
 このパースを見れば、「明るくなる」ということがイメージできると思います。
 このキッチンで、窓を付けられる壁面は流し台を置く面のみなので、この面に大きく高さのある窓を配置しました。
 しかし、ここに大きな窓を配置するとなると、一般的なキッチンによくあるような「吊り戸棚」が置けません。なので、別の場所に吊り戸棚を取り付ける計画です。
 上のパースでは、食器棚と家電収納棚の上部に段違いの吊り戸棚が配置されています。

 なんで段違い?
 その理由も、このパースを見ればわかります。
 吊り戸の右側にある引き戸は、これは「アウトセット引き戸」といって、上から吊って左右にスライドする引き戸です。上から吊るためのレールが壁に付くため、そのレールを避けて吊り戸棚を取付けるように設計してあります。
 もちろん、アウトセット引き戸でなく普通の引き戸を取り付けることもできますが、その場合も四方に扉枠がまわりますので、結果的には同じことになりますし、かえって工事費がかかってしまいます。
 アウトセット引き戸のよさは、今の壁を扱うことなく、工事費をおさえながらドアより便利な引き戸にリフォームできる、というところにあります。

 このように、各所に配置された設備機器の大きさや高さには、ちゃんと設計上の理由があるのです。
 そんな目で、同じキッチンの3Dパースを、違う角度から見てみてください。



 ↑これが、平面図を立体的に3D化したものです。
 これだけでもずいぶん雰囲気がつかめますよね。

 ただし、3Dパースは「絵」なので、細かい寸法や色などは正確には出せません。
 あくまでも、出来上がりのイメージをわかりやすくお伝えするための手段だということを、お施主様にもご了解いただきます。

 リフォームは、新築と違って、限られた条件、限られた予算の中で、工夫と技術をこらして最善の策を考え、それを工事で具現化していくことが醍醐味であり、かつ、難しい仕事でもあります。いずれにしても、最終目的は、お施主様にご満足いただき、「リフォームして本当によかった」とお喜びいただけることであることは、かわりありません。