漏電ブレーカーがおちた!

 住宅も、20年30年を過ぎますと、水道管、ガス管、そして電線も老朽化が進んできます。このブログでは、実際に起きた事例をご紹介することで、普段は思いも寄らないようなハプニングが起きたときの、なにか参考になればと記事を書いています。

 今回は「漏電」事故について、最近お客様から依頼のあった事例をご紹介します。

「洗面所とトイレの電気をつけたらブレーカーが落ちる!」とお電話いただいたのが、夜の7時ころだったでしょうか。電話にていろいろお話を伺うと、九州電力の方にきてきただいて、「漏電の可能性があるので工事店さんにみてもらってください」と言われたのだそうです。
 漏電の場合は、きちんとした電気工事店で、漏電テストをしないと原因が特定できません。今夜はご不便だとは思いつつ、明日、電気工事の人と一緒にうかがって漏電テストしますからと、いそいで手配をしました。

 さて翌日。

 電気工事の職人さん2人と、私、3人でお客様のお宅にうかがって、分電盤をテストしながらあちらこちらの配線を確認していますと、どうやら外灯が怪しいとのこと。

 洗面所とトイレの電気なのに、なんで外灯?

 と思われるかもしれません。でも、勝手口そばの外壁に取り付けられた防水コンセントから、外灯につながっている配線をカットすると、みごとに洗面・トイレの電気が動き出したのです!

 電気が動き出したって、ちょっと変な表現ですが、ご存じのように今時の便器などは自動で動く機器が多いので、電気がつながったとたんに、「ういーん」というモーター音が聞こえてきたりするのです。
 
 お客様によくお話をうかがうと、外灯の電気は、一時期ずっとお使いになられてなかったそうで、最近になって地域の防犯に協力しようということで、一晩中外灯をともすようになったとのこと。
 ところがつい2,3日前からその外灯がつかなくなったので「おかしいな」とは思ってらしたそうです。

 新築当時に門扉の上につけられた外灯は、30年ほど雨ざらしの環境で家の門を守ってきました。プラスチックのケースの中には虫や雨水が入り込み、ケースを開けると金属部分がさびていました。それによって配線が漏電を起こし、ほかの配線に影響を与えていたのですね。

 原因がはっきりわかったのでお客様も一安心です。
 外灯につながっている電線を断線し、危険にならないように職人さんに処理してもらいます。新しい外灯を付け替える時は、いつでも配線を復活できると説明し、お客様にはたいへん喜んでいただきました。


 そのほか、漏電については過去にもこんな事例がありました。
・天井裏でネズミなどが電線をかじった、または電線が異物に押しつぶされてたと思われるケース。
 この場合は漏電を起こしている部分の配線を取り替えます。

・外壁塗装の工事の際、高圧洗浄をしたら、普段はさわらないような外部の電線が劣化していて、そこに高圧洗浄の水がかかったことによって漏電が起きた。
 この場合は、時間をおいてその部分が乾いたら、漏電ブレーカーはあがりますが、劣化した電線をそのままにしておくのは危険ですね。

・ごくまれに、電化製品が原因で漏電スイッチがおちてしまうこともあります。
 この場合はメーカーさんへの調査依頼になります。

 いずれにせよ、漏電の原因はさまざまです。
 そして、漏電の検査をするには専門の職人さんの調査が必要ですので費用がかかります。たいていの場合、上の事例のように、原因はある程度は特定できますが、簡単な調査だけでは原因が特定できないこともあります。そんなときはお客様と相談しながら、詳しい調査をしていきます。

 今回の事例では、お客様からお電話があった翌日に職人さんに行ってもらえましたが、仕事がつまっている場合は、すぐに訪問できないこともあります。
 漏電ブレーカーをおとしたままにして、漏電していると思われる部分の電気をつけなければ、すぐに火事になる心配はありません(そのための漏電ブレーカーです)ので、ご不便ではあるでしょうけれど、その場合は少しお待ちいただくことになります。

 家が古くなってくると、そんなこともあるんだな、ということを知っておくだけでも、いざというときお役に立つかもしれません。
 めったに起きない事故だからこそ、実際に起きると不安になってしまう住宅のトラブル。そんなときこそ、慌てず焦らず、信頼のおける業者さんに任せられたら安心ですね!